結果オーライな組み合わせ。




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「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである」とジェームス・W・ヤングは言った。

新しいかどうかは別にして、18歳のときに行った最後の家族旅行は【僕の受験】+【旅行】という
めずらしい組み合わせによって、忘れられない思い出となった。

大学受験の滑り止めとして大分の大学を受験することにしたのだが、
そのとき父が「家族みんなで車で行こう。」と言い出して、その案が可決。
一泊二日の受験&家族旅行が実施されることになった。

受験の前日に家族でまずは大学へ行き校内を視察。「大きいねぇ。」なんて母がつぶやきながら、
父と弟と僕は散歩。そのまま大分の繁華街へ行き、おみやげ屋さんやゲームセンターで大盛り上がり。
旅館にチェックインするとまずは温泉に入って、部屋で豪華な料理をいただき皆は眠った。

さすがに僕はあせりもあって旅館の窓際の椅子で漢字の勉強を。
部屋は薄暗く、やけに月がきれいだったのを覚えている。

受験当日のことは全く覚えていない。結果は当然ながら不合格。母が慌て、僕もあせった…、
だって滑り止めで滑ったのだから。

母と僕のそんな心境を察してか、その時に父がひと言「お前なら大丈夫だろ。」と。
なんと無責任な!とも思ったが、それは僕を信じていてくれているのだということに気がつき、
その日から僕は猛勉強を開始。本命の大学に合格することができた。

その2年後に父は病気で他界するのだが、そのときの「お前なら大丈夫だろ。」はその後も僕に力をくれる最高の褒め言葉となった。
「俺なら大丈夫。」自分にそう言い聞かせることで逆境に立ち向かう力をくれる。