敵は思い込みにありか?




Pocket

自分に文章の才能があるとは一度も思ったことがないが、
たった1度、小学生の読書感想文コンクールで賞をとったことがある。

読書も作文も僕は大の苦手で、夏休みの宿題にはいつも苦労させられていた。
その年も夏休みが終わりに近づき、日記や工作などを一気に片付けていたのだが、
読書感想文だけはお手上げ状態。

「今から本を全部読んで、感想を書く時間なんてない…。」と、自分の計画のなさにガックリとしていたのだが、
ふと棚をみると『カブトムシの図鑑』を発見。これなら写真が多いし、読む時間もかからない。

僕は必死にページをめくり、世界のカブトムシを眺めて、ゾウカブトは世界で1番体重が重いとか、
ヘラクレスのツノは長くてかっこいいとか、日本にはヤマトカブト虫がおって、
そのツノの先は2つに割れてて敵を持ち上げるとか、どのカブトムシが一番強いか想像で戦わせたりとか…、
そんなことを作文に書いて提出した。

そんなヤツはいなかったのだろう。それが僕の人生最初の受賞につながった。
読書感想文は本を読んで書くもの、という思い込みがみんなにはあったと思う。
僕も当然そうだったのだが追い込まれた末に図鑑を見て(読んで?)感想を書くという荒技に。

結果それが賞をとったのだから喜ぶべきことだ。
“思い込み”というものによって、僕らは世界を狭めていないだろうか?
大人になったら就職しないといけない、結婚しないといけない、○○することが常識だとか…。

染みついた自分の思い込みを探して、疑ってみることで何か新しい発見があるかもしれない。