はじめて女性に告白をしたのは、中学2年生か3年生のときだった。
中学1年生の頃から徐々に仲良くなっていき何人かで遊びに行ったりもしてた。
相手も僕に好意を持ってくれていたのだろうと
何となくの自信もあって、仲良しを続けていた。
ところが年頃になってくると、周りに付き合っただの告白しただのと
いろいろと変化が起こり、僕もただの仲良しを続けることから一歩踏み出し、
「告白」→「交際」へのステップを上がらなければならなくなっていた。
何せ初めてのことなので、告白はどうするものかと考えてはみたものの、
画期的なアイデアなどは思いつかず、
ベタに放課後、誰かに頼んで校舎の裏というか図工の教室の前だったかに
呼び出してもらうことにした。
告白の日は、朝からドキドキで授業のことなど頭に入らなかった。
「好きです」→「私も」。という
ポジティブなシミュレーションを頭の中で何度も繰り返した。
そして、いよいよ放課後、
指定の場所に彼女はやってきた。
当然、彼女もわかっていただろうけど、「何?」みたいな感じをかもしだしていた。
「ちょっと話があってさぁ」のようなことを僕は言ったが、しばらく沈黙。
胸がドキドキというか、ドキがムネムネというか、
相当緊張して、でも心を落ちつけ、何とか絞り出した言葉。
「好きだ。」
シミュレーション上では、ここで「私も。」となる予定だったのだが、
帰ってきた言葉は予想外の
「それで。」だった。
頭が真っ白になった。アドリブに弱いことは承知していたのだが、
想定外の返しに、僕はとまどった…
それで、ということは続きに何かを期待されているのか?
いや、それでというか、それ以上に何を伝えれば良いかわからず、
その日は頭から煙を出して終わったと思う。
今なら、正解がわかる。
「好きだ」→「俺と付き合ってくれ」→「一緒に帰ろう」みたいな感じ。
好きだから、君をひとりじめしたいんだという
ニュアンスの言葉を彼女は待っていたのではないか。
どうゆうことが“付き合う”ということかがわからなかったのだが、
付き合おう!と言えば良かったのだ。
さて、
告白するときは、
「好きだ」と伝えた後、その次に何言うかを考えておこう。
そして、シミュレーションはもっと多角的にやっておこう。
人生なにがおこるかわからないのだから。