たいへんなことは小分けにする。




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youtubeで正しいアイロンのかけ方を学び十数年。
仕事に出かけるときは、シャツにアイロンをかけ、シワをなくして、
まっさらな気持ちで行くようにしている。

最初に襟から始め、その次に背中の上のヨークと言われる部分へ。
そのまま、プリーツ、後身頃、そして前身頃と細かなシワを伸ばしていく。

薄汚れたキャンパスを消しゴムで真っ白にしていくように。

時折、スチームの“プシューッ”という音が、エイヤー!エイヤー!と、
綱引きの応援のときのように聞こえてきて、単調な作業にやる気を与えてくれる。

1枚あたり、だいたい5分かかる。以前は1週間分をまとめてやっていたが
30分もアイロンがけはさすがに飽きるので、
仕事前の儀式として、毎日に作業を分散した。

そんなことができるようになった。

昔は、宿題を溜め込むタイプだった。
夏休みの最後の方は、父や母を巻き込んで、

絵日記に記入しなければならない天気を1日1日必死に思い出したり、
各教科のプリントをちゃきちゃきと勉強したりと
めんどくさいことは最後にまとめて苦労するタイプだった。

まとめてやると当然トラブルもあった。
天気の記入を間違っていたり、白紙のプリントが出てきたり、
父にまかせていた工作が、とんでもないものに仕上がっていたり。

小学何年生の夏休み明けだったかは忘れてしまったが、
『猫の爪とぎを入れる木製の箱』を工作として持ってきたのは僕だけだった。

たぶん、小学校の歴史上それっきりだったのではないかと思う。