子どもの“好き”を大好きになってみる。




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何かにのめり込むことは、それが自分にとっての財産になる、
ということに気がついたのは、つい最近30代も後半に差し掛かってからのこと。

飽き性の自分の性格を悔いたことは何度もある。
それもあってか、子どもには好きなものにトコトンのめり込んで欲しいと思っており、
妻に怒られない程度に、それには出費を惜しまない(ようにしてきた)。

まず最初に2歳の娘がハマったのは『アンパンマン』。
これは1〜3、4歳児くらいまでの鉄板アニメのようで、どの子も絶対に好きになるようだ。

好きなら中途半端でなくトップを目指すんだ! とばかりに僕と娘はアンパンマンにのめり込んだ。
キャラクター図鑑で、たくさんの名前を覚え、毎朝BS放送のアンパンマンクラブで知恵を養う日々。

いつしか僕の興味はアンパンマンから、作者のやなせたかしさんに移行し、
自伝や詩集などを読み漁るようになっていった。

舞台美術や演出、作詞、編集、シナリオライターなど、漫画家ではくくれないほどの多様なお仕事を経験し、
アンパンマンが世に出たのは、やなせたかしさんが50歳を過ぎてからのこと。

“多くの人を喜ばせたい。うれしい笑い声を聞くのが大好き”という、
やなせたかしさんだからたどり着いた作品なのだろうと思う。

なぜ、子どもはみんなアンパンマンを好きになるのだろう?

やなせたかしさん自身が85歳から書き始めた自伝『人生なんて夢だけど』を読めば、
その謎が少しはわかるかもしれない。

人生なんて夢だけど