これって、ドMなのか。




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打席に入るときも一人、ボールを捕るのも一人、
だけど一人じゃ野球はできない。

だから野球は団体競技なのだけれど、
試合に勝つためには、一人のときを
相当がんばらないといけない。

素振り、筋トレ、走り込み、
サボりたいという誘惑との戦いなど…
個人のがんばりが、チームを勝利に導くのだ。
広告づくりも言わば団体競技で、
営業さんがつかんだ仕事を、
ディレクターが内容をまとめ、
コピーライターが文章を書き、
デザイナーが紙面をレイアウトして
広告を完成させる。

いい広告をつくるためには、一人のときを
相当がんばらないといけない。

普段からの情報収集、勉強、
アイデアや企画を延々と考えること、
俺ばっかりしんどいという勘違いに負けないこと、
仕事を切り上げて飲みに行きたいという誘惑に打ち勝つなど…
一人のがんばりが結果を大きく左右することを
野球の経験から学んでいた僕は、

どれだけ仕事がパンパンでも、
依頼されれば「できます!」と、
さらに抱え込み身体と心にムチを打ち、
自分のできることをしっかりとおこない、
孤独と戦い続け、ハートを鍛えることを続けてきた。

そんなある日、会社の後輩が
「野村さんって、いつも仕事ガンガン抱えてやってますけど、ドMですよね」と。

自分では、どちらかといえば「S」かな? なんて思っていたのだが、
どうやら、ぶっちぎりで「M」らしい。

それとこれとは違うんだ、勝つためにやってるんだ…。
と言い返そうとも思ったが、

確かに後輩が言う通り、僕がやってる一連の努力は
「M的」なことであると妙に納得がいってしまった。