誰かの受け売りで生きている。




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大学時代、高校からお付合いしていた女性と別れるまで、僕はからっぽだった自分に気づかなかった。

はじめての一人暮らしも彼女がいたから寂しくなかったし、
遠く離れていても僕を想ってくれてる人がいるというのは心強かったし、僕は一人のようで一人ではなかった。

一人になって、その時、たぶん生まれて初めて僕は自分と向き合った。
今まで自分のものだと思っていたものは彼女がいたからあったもので、
彼女なしではそれは無いのも同然で、では僕には何があったかというと、
それらしきものは見つからず…。

困り果てた僕は、からっぽの部分を埋めるために本に知恵を求めた。
本には自分の知らないことが書いてある。たくさん読めば自分のからっぽを埋められるかも知れない。
「読みたいと思った本は必ず買う」。そう決めてから15年以上が過ぎた。

芥川龍之介、夏目漱石のような教科書に載るような名書から、偉人の名言集、
心理学や早起き健康法のようなものまで、その時々で読みたい本は移り変わり、
まぁたくさん読み漁ってきた…。

僕はいろんな人の言葉を取り込んで、自分を膨らませてきたように思う。
つまり、僕はいろんな人の本からの受け売りでできている。

さて、僕のオリジナリティは、どこに探しに行けばあるだろう。