18歳で下関を離れて帰省するのは年に1〜2回。それは20年以上続いている。
帰省の目的は、母や祖母、叔父や叔母、親戚に顔を見せることが主で、
友人と遊ぶなんてことはほとんどなかった。
せっかく帰省しても、1日目は母と食事をし、2日目の昼は祖母の家、夜は叔母と叔父の家、
3日目は、親族一同で食事…、そんな感じだ。
めんどくさいと思うこともあったが、それを欠かすことはしなかった。
僕の中では漠然とだけど、それは何をおいても欠かしてはいけないことに思えていた。
今年39歳、親族にしか会わない帰省が今になれば納得できる。
それは僕が小さな頃からすごくたくさんの人に愛情を注いでもらって育ってきたからだと。
この20年、帰省の際に顔を見せることで愛情のお返しをしていたんだと思う。
でも、会うといつも立派な食事をご馳走してもらうから、愛情の返済は追いつかず、
みんな少しずつ居なくなっていった。